スズメバチの巣作りにおいてその時期ごとに変化する巣の形状を知っておくことは早期発見と安全な対処を行うための最も確実なスキルとなります多くの人がスズメバチの巣と聞いて想像するのは秋に見られる巨大なマーブル模様の球体ですが実は巣作りが始まる三月から五月にかけての初期段階では全く異なる形状をしておりこの時期の特徴を知らないがゆえに見逃してしまうケースが非常に多いのです巣作り開始直後の巣はコガタスズメバチの場合トックリを逆さにしたような形をしており細長い筒状の出入り口が下部に伸びているのが最大の特徴でこの形状は風雨の侵入を防ぎ内部の温度を一定に保つための工夫だと考えられていますがキイロスズメバチやオオスズメバチの場合はまた少し異なり初期からボール状に近い形をしていることもありますがいずれにせよ初期の巣はテニスボールからソフトボール程度の大きさで女王蜂一匹で管理されているため非常に静かですしかし六月に入り働き蜂が羽化し始めるとトックリ型の首の部分は徐々に削り取られ全体的に丸みを帯びた球体や卵型へと変化していきこの頃になると大きさもバレーボール程度になり巣の表面には特有の鱗のような模様がはっきりと現れるようになりますこの模様は複数のハチが異なる場所から異なる種類の木の皮を持ち帰りそれらを混ぜ合わせて巣材にしているために生じるものでいわば彼らの行動範囲の広さと勤勉さの証明でもありますさらに季節が進み七月から八月の最盛期になると巣は円盤状になったり不規則な形に拡張されたりと設置場所の形状に合わせて柔軟に変化し屋根裏や壁の中などの閉鎖空間では空間いっぱいに広がるような巨大な巣が形成されることも珍しくありませんまたスズメバチとよく間違われるアシナガバチの巣はシャワーヘッドのように六角形の穴が露出しており外皮に覆われていないため一目で見分けることが可能ですがスズメバチの巣は常に外皮で覆われており内部が見えないのが特徴ですこのように時期によって劇的に変化する巣の形状を理解し特に春先のトックリ型の巣を見逃さないことが被害を防ぐ第一歩であり家の周りを点検する際には単にハチが飛んでいるかだけでなく軒下や茂みに奇妙な形の物体がないかを注視する習慣をつけることが重要です。
スズメバチの巣を見分けるための形状ガイド