蜂の巣を作らせないための最も効果的な予防策の一つとして、春先の女王蜂が飛び回る時期に仕掛ける「ペットボトルトラップ」があります。これは、甘い匂いで女王蜂を誘引し、捕獲することで巣作りそのものを阻止するという方法で、材料費もほとんどかからず家庭で簡単に実践できるのが魅力です。作り方は非常にシンプルで、空のペットボトル(炭酸飲料用の凹凸がないものが望ましい)の上部に数カ所、蜂が入れる大きさ(一・五センチから二センチ程度)の穴を開け、その中に誘引液を入れるだけです。誘引液のレシピは諸説ありますが、一般的には酒、酢、砂糖を二:一:一の割合で混ぜたものが効果的とされており、さらにブドウジュースや乳酸菌飲料を加えると集蜂効果が高まると言われています。このトラップを、三月から五月にかけて庭木や軒下などの日当たりの良い場所に設置しておけば、巣場所を探して飛び回っている越冬明けの女王蜂を捕らえることができます。女王蜂を一匹捕まえることは、将来的に数百匹から数千匹に増えるはずだった一つの巣を消滅させることと同義であり、その予防効果は絶大です。ただし、このトラップには注意すべき点もあります。設置時期を誤って六月以降の働き蜂が活動する時期に置いてしまうと、逆に周囲の働き蜂を大量に呼び寄せてしまい、危険な状況を作り出してしまう恐れがあるのです。したがって、五月下旬頃にはトラップを回収し、片付けることが重要です。また、捕まった蜂がまだ生きている場合もあるため、処理する際は十分に注意し、中身を捨てる前に確実に死んでいることを確認する必要があります。トラップ以外にも、蜂が嫌がる木酢液を撒いたり、巣を作られやすい場所に殺虫スプレーをあらかじめ吹き付けておいたりすることも有効です。毎年蜂の巣に悩まされている方は、蜂が活動を本格化させる前の春先の準備こそが、平穏な夏を迎えるための勝負の分かれ目となることを覚えておいてください。