キャンプや川遊びの最中、突然腕に走る鋭い痛み。見ると、大きめのハエのような虫が血を吸っている。あぶに刺された(正確には咬まれた)瞬間です。その後の激しい痛みとかゆみ、そして大きく腫れ上がる症状に、どう対処すれば良いのでしょうか。パニックにならず、正しい応主処置を行うことが、症状の悪化を防ぎ、治りを早くする鍵となります。まず、刺された直後にすべきことは、傷口を清潔にすることです。流水で傷口をよく洗い流し、あぶの唾液や雑菌をできるだけ除去します。この時、傷口を強くこすったり、無理に血を絞り出そうとしたりしないでください。皮膚を傷つけ、かえって炎症を悪化させる原因になります。石鹸があれば、よく泡立てて優しく洗い流しましょう。次に、患部を冷やすことが重要です。濡れたタオルや、ハンカチで包んだ保冷剤などを当てることで、血管を収縮させ、痛みや腫れ、かゆみを和らげることができます。あぶの唾液には毒は含まれていないため、アンモニア水などを塗っても効果はありません。ポイズンリムーバーで毒を吸い出す必要もありません。清潔にして冷やす、これが基本です。かゆみや炎症が強い場合は、市販の虫刺され薬を塗ります。この時、かゆみ止め成分だけでなく、炎症を抑える「ステロイド成分」が含まれた軟膏を選ぶのが効果的です。ステロイドと聞くと抵抗があるかもしれませんが、短期的に使用する分には非常に有効で、症状の悪化や跡が残るのを防いでくれます。しかし、次のような場合は、速やかに皮膚科を受診してください。刺された箇所が広範囲にわたって腫れ上がっている場合、痛みが非常に強い場合、水ぶくれができた場合、そして何よりも、吐き気やめまい、息苦しさなどの全身症状が現れた場合です。これはアナフィラキシーショックの可能性があり、非常に危険です。正しい応急処置と、状況に応じた適切な判断が、あぶの被害を最小限に抑えるために不可欠です。
あぶに刺されたらどうする?激痛と腫れの正しい応急処置