それは、私がインテリアグリーンに凝り始めた、数年前の出来事でした。部屋に緑を増やそうと、少し大きめの、お洒落な陶器の鉢に入った観葉植物を、インターネットで購入しました。届いた植物は、生き生きとしており、私は大満足で、リビングの一番日当たりの良い場所にそれを置きました。最初の数週間は、何の問題もありませんでした。しかし、ある日、水やりをしようと土の表面に目をやった時、私は、白い小さな何かが、土の上をピョンピョンと跳ねているのに気づきました。最初は、土の粒か何かだろうと思いましたが、よく見ると、それは明らかに、背中を丸めた、エビのような形をした虫でした。その数、数十匹。私はパニックになりました。インターネットで調べ、その正体が「ヨコエビ」であり、湿った土を好むことを知りました。原因は、私の「水のやりすぎ」と、鉢の「水はけの悪さ」にありました。受け皿には常に水が溜まり、土はいつもジメジメ。まさに、彼らにとっての楽園を、私が自らの手で作り上げていたのです。私はすぐに、鉢ごとベランダに出し、駆除作戦を開始しました。まず、受け皿の水を捨て、土の表面が乾くまで、数日間、水やりを完全にストップしました。そして、市販の不快害虫用のスプレーを、植物にかからないように注意しながら、土の表面に軽く噴霧しました。さらに、鉢の周りの風通しを良くするために、鉢の下にレンガを置いて、少し浮かせるようにしました。これらの対策を始めてから一週間ほど経った頃、あれほどいたヨコエビの姿は、ほとんど見えなくなりました。この一件以来、私は観葉植物の水やりには、非常に慎重になりました。必ず、土の表面が乾いたのを確認してから、たっぷりと与え、受け皿の水はすぐに捨てる。この基本を徹底するようになりました。あの小さなエビたちは、私に、植物を育てることは、ただ水を与えることではなく、その植物が置かれた「環境全体」を管理することなのだと、身をもって教えてくれたのです。