浴室という場所は人間にとってのリラクゼーション空間であると同時に多くの微小生物にとっても生存に適した楽園になり得ます。特にチョウバエと混同されやすいが実際には全く異なる生態を持つ虫たちが存在します。その代表格がトビムシ類です。彼らは翅を持たない原始的な昆虫で土壌や湿った木材を好みますが浴室の湿った壁紙やタイルの裏側にも住み着きます。トビムシは一匹一匹は無害ですが大量発生すると精神的な苦痛を与える不快害虫となります。防除のためにはまず徹底的な乾燥が不可欠です。トビムシは乾燥に極めて弱いため除湿機や換気扇を駆使して湿度が下がる環境を作れば自然と姿を消します。次にチャタテムシですがこれはブックライスの愛称でも知られ湿った紙やカビを好みます。浴室の脱衣所に置かれた古いバスマットや湿ったタオルは彼らの温床となります。清潔なタオルを常に使用し脱衣所の換気も怠らないようにしましょう。さらに忘れてはならないのがアリの侵入です。特にお風呂場にアリが出る場合は甘いエサを求めているのではなく単に水分を求めているかあるいはタイルの裏の空洞に巣を作っている可能性があります。この場合は市販のベイト剤をアリの通り道に設置するのが効果的です。チョウバエ以外の虫に対しては単一の殺虫剤を撒くよりもその虫が好む温度や湿度をコントロールする物理的防除が有効です。また夜間に照明へ誘引されて窓から入ってくるクロバネキノコバエなどは遮光カーテンや防虫網戸の使用で防ぐことができます。浴室の虫トラブルを未然に防ぐには週に一度の徹底したカビ取りと毎日の換気が最も強力な武器となります。また最近では銀イオンなどの除菌成分を含んだ浴室用防カビ剤も普及しておりこれらを定期的に使用することで虫のエサとなるカビの発生を抑えることが可能です。不快な虫を寄せ付けないためには彼らが好む環境を作らないという引き算の思考が重要です。水回りを常にドライな状態に保つ努力を続けることで多くの虫問題は解決に向かいます。自然のサイクルを理解し適切に介入することで快適で清潔なバスタイムを守り続けましょう。
水回りの害虫図鑑チョウバエではない虫の生態と防除