鳩の巣が「作りかけ」の段階で、なんとか彼らを追い払うことに成功した。しかし、それで安心してしまうのは、まだ早いかもしれません。一度、鳩に「ここは巣作りに適した良い場所だ」と目をつけられてしまったあなたのベランダは、来年の春、あるいは数週間後に、また別の鳩のつがいが、新たな候補地として偵察にやってくる可能性を常に秘めています。不毛な戦いを二度と繰り返さないためには、その場しのぎの対策ではなく、そもそも鳩が「巣を作りたい」とさえ思わないような、恒久的な予防策を講じ、ベランダの環境そのものを変えてしまうことが不可欠です。そのための究極の予防策は、鳩が巣作りの場所に求める「三大条件」を、私たちの手で根こそぎ奪い去ることに尽きます。第一に、そして最も重要なのが、「安全な隠れ家を与えない」ことです。鳩は、天敵から身を守れる、狭くて見通しの悪い場所を好みます。あなたのベランダに、物がごちゃごちゃと置かれていませんか。使っていない植木鉢やプランター、古いタイヤ、ガーデニング用品が入った段ボール箱などは、鳩にとって格好の死角となり、安心して巣を作れる場所を提供してしまいます。特に、エアコンの室外機の裏や下は、三方を囲まれた絶好の巣作りポイントです。ベランダは物置ではなく、部屋の延長線上にある生活空間と捉え、不要なものはこまめに片付け、常に整理整頓された、見通しの良い状態を保つことが、彼らの侵入意欲を削ぐ上で非常に重要です。第二に、物理的に「とまれる場所をなくす」ことです。鳩は、巣作りを始める前に、まず手すりなどの足場にとまって、周囲の安全を確認します。この最初の足場を奪うことができれば、その後のプロセスに進むのを防ぐことができます。手すりの上に、市販の剣山(スパイク)や、ワイヤーを設置するのが効果的です。第三に、「人の気配」を常に感じさせることです。定期的にベランダに出て掃除をしたり、洗濯物を干したりと、人間が頻繁に利用している場所であることをアピールするだけでも、警戒心の強い鳩は寄り付きにくくなります。これらの地道な環境改善こそが、あなたのベランダを、鳩にとって何の魅力もない不毛の地へと変貌させ、恒久的な平和をもたらしてくれるのです。
鳩の巣を二度と作らせないための究極の予防策