家に現れるエビみたいな虫、ヨコエビは、人間に対して直接的な害はないものの、その見た目の不快感と、大量発生した際のストレスは、決して無視できません。幸いなことに、彼らは薬剤に弱く、また、その生態的な弱点を突くことで、比較的簡単に駆除し、再発を防ぐことが可能です。まず、家の中で発見した場合の、直接的な駆除方法です。数が少ない場合は、ティッシュペーパーで捕まえて捨てるか、掃除機で吸い取ってしまうのが最も手軽です。もし、観葉植物の土の上などで大量に発生している場合は、市販の不快害虫用の殺虫スプレー(エアゾール)が有効です。ただし、植物に直接薬剤がかかると、薬害で枯れてしまう可能性があるため、使用する際は、植物から少し離れた場所から、土の表面を狙って軽く噴霧する程度に留めましょう。しかし、目の前の成体を駆除するだけでは、土の中にいる卵や幼体は生き残ってしまいます。根本的な解決のためには、発生源となっている環境そのものを改善する必要があります。最も重要なのが、「乾燥」させることです。ヨコエビは、乾燥に極めて弱い生き物です。観葉植物が発生源となっている場合は、水やりの頻度を少し控えめにし、土の表面が乾く時間を作るようにします。鉢の受け皿に溜まった水は、必ず毎回捨てることを徹底してください。また、部屋全体の換気を良くし、除湿機などを使って、室内の湿度を下げることも非常に効果的です。キッチンや浴室など、水回りで発生している場合は、換気扇を長めに回し、こまめに水分を拭き取るなどして、ジメジメした環境を作らないことが重要です。さらに、彼らの餌となる有機物を減らすことも大切です。観葉植物の周りに落ちた枯れ葉はこまめに取り除き、キッチンのシンク下なども清潔に保ちましょう。家の外からの侵入を防ぐためには、家の基礎周りに、帯状に撒くタイプの粉末状の殺虫剤を散布するのも有効です。乾燥と清掃。この二つの基本を徹底することが、エビみたいな不快な同居人との関係に、終止符を打つための、最も確実な方法なのです。
ヨコエビ(エビみたいな虫)の駆除と対策