「換気扇からのゴキブリ侵入を防ぐ」と一言で言っても、その対策は、あなたの家に設置されている換気扇の種類によって、アプローチの方法が異なります。まずは、自宅の換気扇がどのタイプなのかを正しく把握し、それぞれの弱点に合わせた、的確な対策を講じることが重要です。最も一般的なのが、壁に直接取り付けられた「プロペラ式の換気扇」です。これは、キッチンだけでなく、浴室やトイレでもよく見られるタイプです。この換気扇の最大の弱点は、プロペラの羽根と外枠の間に、比較的大きな隙間があることです。ゴキブリは、この隙間をいとも簡単に通り抜けてしまいます。対策として最も効果的なのが、「換気扇フィルター」の設置です。市販されている、換気扇全体を覆うように取り付ける、不織布などでできたフィルターを貼ることで、物理的にゴキブリの侵入を防ぐことができます。フィルターは油汚れなどで目詰まりするため、定期的な交換が必要です。次に、現代のキッチンで主流となっているのが、コンロの上に設置された「レンジフード(シロッコファンタイプ)」です。こちらは、プロペラ式のように直接的な隙間はありませんが、屋外に伸びる「排気ダクト」が侵入経路となります。対策のポイントは、ダクトの出口、すなわち屋外の壁についている「排気口(ベントキャップ)」です。この部分に、元々防虫網が付いているか、そして、その網が破れたり、劣化したりしていないかを確認することが重要です。もし、網がない、あるいは破損している場合は、ホームセンターなどで購入できるステンレス製の防虫網を、排気口の内側や外側に取り付けることで、侵入を防ぐことができます。また、浴室やトイレで使われる、天井埋め込み型の「ダクト式換気扇」も、基本的にはレンジフードと同じ考え方です。屋外の排気口の防虫網をチェックすることが、最も根本的な対策となります。自分の家の換気扇の構造を理解し、その弱点をピンポイントで塞ぐ。それが、スマートで効果的なゴキブリ対策の第一歩なのです。
換気扇の種類別ゴキブリ対策、あなたの家はどのタイプ?