-
換気扇はゴキブリの高速道路!その侵入経路としての危険性
家の中をどんなに清潔に保ち、隙間という隙間を塞いでも、なぜかゴキブリの侵入が後を絶たない。そんな不可解な悩みの裏側には、多くの人が見落としがちな、巨大な「セキュリティホール」が存在しているのかもしれません。その最有力候補こそ、私たちの家の壁に必ず設置されている「換気扇」です。換気扇は、室内の空気を外に排出するための重要な設備ですが、その構造上、屋外と室内を直接つなぐトンネルでもあります。ゴキブリ、特に飛行能力を持つ大型のクロゴキブリにとって、この換気扇は、何の障害もなく家の中に侵入できる、まさに「高速道路の入り口」なのです。彼らが換気扇を好む理由は、いくつかあります。第一に、換気扇からは、調理の際に発生する食べ物の匂いや、室内の生活臭が常に排出されています。この匂いは、餌を探すゴキブリにとって、強力な誘引剤となります。匂いを頼りに壁を登ってきたゴキブリは、換気扇という絶好の入り口を発見するのです。第二に、換気扇の構造そのものです。プロペラ式の換気扇の場合、その羽根の隙間は、ゴキブリが通り抜けるには十分な大きさです。また、レンジフードなどのシロッコファンタイプであっても、屋外に繋がる排気ダクトの出口(排気口)に、防虫網が設置されていなかったり、劣化して破れていたりすると、そこからダクト内に侵入し、やがて室内へと到達します。そして第三に、換気扇の内部には、油汚れやホコリが溜まりやすく、これがゴキブリにとっての格好の餌場や隠れ家となるのです。換気扇を回していない静かな夜間、彼らはこの安全な高速道路を通って、私たちの聖域であるキッチンへと、静かに、しかし確実に侵入してきます。ゴキブリ対策を完璧なものにするためには、この最大の侵入経路である換気扇の防御を、徹底的に固めることが不可欠なのです。