鳩の繁殖サイクルは、非常にスピーディーで、効率的に行われます。一度、安全な場所を見つけると、彼らは驚くほどの速さで、次世代へと命を繋いでいきます。その巣作りから巣立ちまでの一連の流れを見ていきましょう。まず、繁殖期を迎えた鳩のつがいは、カラスや猫といった天敵から卵や雛を守れる、安全な巣の場所を探します。マンションのベランダの室外機の裏や、戸建ての軒下、ソーラーパネルの隙間といった、三方向が囲まれ、雨風をしのげる場所が好まれます。場所が決まると、オスが小枝や枯れ草、時には針金などを運び、メスがそれを組み合わせて、非常に簡素な、皿状の巣を作り上げます。この巣作りの期間は、約1週間程度です。巣が完成すると、メスは通常、1〜2日の間隔をあけて、2個の卵を産みます。産卵後は、オスとメスが交代で、24時間体制で卵を温め続けます。この抱卵期間は、約18日間です。この時期の鳩は、巣に対する防衛本能が非常に強く、人間が近づくと、羽を広げて威嚇してくることもあります。卵が孵化すると、雛の育成期間が始まります。鳩の雛は、孵化直後は目も見えず、黄色い産毛に覆われた、非常に弱い状態です。親鳥は、「ピジョンミルク」と呼ばれる、自らの素嚢(そのう)で生成する、高栄養の液体を雛に与えて育てます。このピジョンミルクのおかげで、雛は急速に成長します。約2週間で羽が生えそろい、3週間もすると、親鳥と同じくらいの大きさにまで成長します。そして、孵化してから約1ヶ月が経つと、雛は飛ぶ練習を始め、やて巣から飛び立っていきます。しかし、巣立った後も、しばらくは親鳥から餌をもらいながら、巣の周辺で生活を続けます。そして、驚くべきことに、親鳥は、この雛がまだ巣にいるうちから、次の産卵の準備を始めているのです。この驚異的な回転率が、彼らの繁殖力を支えています。
鳩の巣作りから巣立ちまでの全記録