家の中で、ピョンピョンと跳ねるエビみたいな虫、ヨコエビ。窓も閉めていたはずなのに、一体彼らはどこからやって来るのでしょうか。その侵入経路と発生源を理解することは、効果的な駆除と予防の鍵となります。ヨコエビの侵入経路は、大きく分けて二つのパターンが考えられます。一つは、「外部からの侵入」です。ヨコエビは、もともと屋外の、落ち葉の下や、石垣の隙間、あるいは庭の湿った土の中などに生息しています。彼らは、より快適な湿気と餌を求めて、夜間に活動範囲を広げ、家のわずかな隙間から侵入してくるのです。特に、基礎コンクリートのひび割れや、窓サッシの隙間、あるいは玄関ドアの下の隙間などが、主要な侵入ルートとなります。また、体の小さな彼らは、網戸の網目をすり抜けてしまうこともあります。もう一つの、そしてより一般的な発生パターンが、「家の中に持ち込まれたものから発生する」というケースです。最も代表的なのが、「観葉植物の土」です。園芸店などで購入した観葉植物の腐葉土や、有機肥料の中に、すでにヨコエビ本体や、その卵が紛れ込んでいることがあります。そして、その植木鉢を家の中に持ち込み、水やりをすることで、鉢の中が彼らにとっての繁殖拠点、すなわち「発生源」となってしまうのです。鉢の受け皿に常に水が溜まっているような状態は、彼らにとって最高の環境です。ここから這い出した個体が、家のあちこちへと広がっていきます。また、あまり一般的ではありませんが、家庭菜園で使う腐葉土を袋のまま室内に保管していたり、あるいは、汲み取り式のトイレや、浄化槽の管理が不十分な場合、そこが巨大な発生源となることもあります。つまり、ヨコエビとの戦いは、家の隙間を塞ぐという「外部対策」と、観葉植物の土壌管理という「内部対策」の、両面からアプローチする必要があるのです。
ヨコエビ(エビみたいな虫)はどこから来る?侵入経路と発生源